【暗くない!】最強のふたりを見ました【名作フランス映画】
以前から気になっていた最強のふたりを見ました。
レンタルして観ようと考えていたのですが、アマゾンプライムビデオのライブラリ内にありました。ラッキー。
タイトルとパッケージからハートフルな作品かと思い少し敬遠していたのですが、視聴後ハートフルと言う言葉に間違いはありませんでしたが、想像していたイメージとは違う映画でした!
結論から言うとすごく面白かったので、レビューと言う訳では無いですが、感想を書いておこうと思います。
※ネタバレは書かないでおこうと思うのですが、映画内のセリフなどを引用していますので、まっさらな状態でこの作品を見たいという方は読まない方が良いかもしれません。
映画のトレーラーです。インパクトをつけるためか少しセリフの順序などがおかしいと思う部分もありますが、映画の雰囲気は感じ取れますのでよかったら見てみてください。
目次
あらすじ
パリに住む富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、体を動かすことができない。フィリップと秘書のマガリー(オドレイ・フルーロ)は、住み込みの新しい介護人を雇うため、候補者の面接をパリの邸宅でおこない、そこにドリス(オマール・シー)が面接を受けに来る。しかしドリスは職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため面接を受け、不合格になったことを証明する書類にサインが欲しいだけだった。気難しいところのあるフィリップは、他の候補者を気に入らず、介護や看護の資格も経験もないドリスを、周囲の反対を押し切って雇うことにする。
Wikipediaより引用
あらすじはこういった感じです。
ちなみにwiki冒頭では
「頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を、ときにコミカルに描いたドラマ。」と説明されています。
ときにコミカルとありますが、基本コミカルです。セリフのユーモアセンスがよく、何度も声をあげて笑ってしまいました。
フィリップとドリスの仲の良さ、信頼しあっている様子が良く表現できている作品です。
フランス映画ですがあらすじに気負うことなく、気軽に見える作品ですよ!
身体障碍者へのふるまい
これはこの作品のテーマの一つ(メインテーマかもしれない)だと思うのですが、みなさんは体に不自由のある方と話す際、どんなことを感じていますか?
日本人の国民性が原因かもしれませんが、思いやりが過ぎて逆に腫物を触るような振る舞いをしてしまっている事例を見かけることがあります。
その振る舞いによる不快感は健常者にはわからないといわれているのかもしれませんが、僕はそうではないと思います。
例えば、何かの試験で自分だけが通らなかったとき、恋人と別れたとき、就職活動が自分だけがうまく行っていない時。周りの人の反応はどうでしょうか。
僕は身体に障碍はないので本当のところはわかりませんが、上記のような扱いがもっと強くなったような対応を身体障碍者のみなさんは日々受けているのだと考えています。
しかし本作の介護人であるドリスは違います。
フィリップの障碍などまったく気にせず、ただ一人の人間としてとらえ時にはブラックジョークだって言います。
(チョコを食べさせてくれとフィリップがドリスに頼むシーンにて)
ドリス「嫌だ」
「健常者しか食べちゃダメ」
一瞬顔のこわばったフィリップ
ドリス「冗談だよ笑えるだろ」
大声で笑いだすドリス
フィリップ「冗談か。」
少し安心したような表情を見せるフィリップ
フィリップ「いいからチョコをよこしてくれ」
なおもドリスは大笑いしながら
ドリス「ブラック(ジョーク)だ。」
「あんたにぴったりだな」
面と向かってフィリップにそう言うドリス
このワンシーンからみても分かる通り、某チャリティー番組であれば放送事故になるようなことをドリスは平気で言ってのけます。
今までこういったジョークなどいわれたことのないフィリップは動揺しつつも、自分の障碍に気にも留めていないドリスに居心地の良さを感じています。
このシーンを見たとき、見ている僕のほうが冷や冷やしてしまいました。でもこういった気持ちが件の腫物に触れるような扱いにつながってしまうのでしょうね……
積極的にブラックジョークを言おうとは思わないですが、ドリスのような気の持ち方をできるようにしたいと思うシーンです。
セリフのユーモアセンス
声を上げて笑ってしまうようなジョークやセリフが次々と繰り出されます。
あとこの作品では、下品と行ってしまえばそれまでですがかなり下ネタが飛び交います。
漫画はすべて犯罪のもとになる、や性教育なんてとんでもないわ!という考えをお持ちの悪しきPTA代表のような方が見たら何かいうことはあるのでしょうが、普通の人は大丈夫な程度です。何なら下ネタが一番面白いです。
ドリス「耳が赤けりゃ発情してるってこと?」
フィリップ「そうさ。耳が朝立ちすることも」
ドリス「両耳とも?」
フィリップ「ああ」
笑
(首から下の感覚がないフィリップの性感帯は耳だという話題から)
(ドリスに対し失礼な態度をとるフィリップの養子の娘エリザに対して)
フィリップ「家で働く人々に敬意を払いなさい」
「聞き分けないと車いすで引くぞ」
なかなか普段聞かない表現ですよね。この映画ならではの一風変わったジョークが楽しめます。
劇中の音楽
本作に関する話題で良く取り上げられるのが、劇中音楽の良さです。
作品冒頭の車の中で音楽を流すシーンでは、Earth,Wind&fire のSeptember が流れます。曲のタイトルでピンと来ない方でも、聞いたことがある曲だと思いますよ。
www.youtube.comSeptember はこの映画に本当にあっていると思います。この曲を聴いて自然と体が揺れてくる人はこの映画を最後まで楽しめることでしょう。
本作品ではドリスとフィリップの嗜好から、ファンクとクラシックの曲が多く使用されています。
僕のおすすめは
先ほどのEarth,Wind&fire とGeorge Bensonです。
劇中歌をまとめている記事があったので、すべての曲が知りたい方はとんでみてください。
おわりに
感想は以上です。
本作品の魅力がどれほど伝わったかはわからないですが、確実にいえることは観て後悔しない映画だということです。
また二人の掛け合いがききたくなったらツタヤで借りてきてみようと思います。(アマゾンプライムへの提供期間がたしか今週までとかだったと思うので泣)
ドリスとフィリップ二人でいれば何も怖くないという、タイトル通り最強のふたりの映画でした。